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カナリア文付き小瓶

カナリア文付き小瓶


作家名: モーリス・マリノー
作品名: カナリア文付き小瓶
制作地: フランス
制作年: 1925年
技法・素材: 酸化腐食掘り
サイズ: H23.8×W12.9×D7.8cm
作品番号: D-012

1920年代から1930年代にかけてのマリノーの作品は、4つのカテゴリーに
大別することができます。一つは、この栓付きの香水瓶の様なタイプで、
酸性の溶液にガラスを浸し、腐食によって表面に模様を付け、その深く
エッチングされた地模様と、レリーフによる装飾が統合された状態を創造
しようとしたものです。

マリノーはこの技法により、酸で腐食した表面の力強く荒々しいとも言える
ほど大胆な抽象的幾何学模様と、滑らかに研磨されたレリーフの部分との
対比により、透過した光の屈折による効果を最大限に引き出すことが出来る
ようになりました。このボトルの仕上げとなる小さな球形の栓は、マリノーの
殆どの作品の特徴であり、彼の完成のサインとも言えるものです。

at 16:22, 向井公規, 所蔵作品紹介

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3羽の燕の香水瓶

3羽の燕の香水瓶


作家名: ルネ・ラリック
作品名: 3羽の燕の香水瓶
制作地: フランス
制作年: 1920年
技法・素材: 無色ガラス、型押し、パティナ
サイズ: H12.3×W12.3×D4.1
作品番号: D-025

1902年、ラリックの止まることを知らないガラスでの試作実験は、
香水メーカーであるフランソワ・コティの関心を引き、コティから
自社の様々な香水のラベルのデザインと香水瓶の制作を依頼されました。

ラリックによるコティへの最初の作品は、ルグラ&シィーでクリス
タルガラスで作られ、その殆どは無署名でした。しかし1908年迄に、
ラリックは彼専用のガラス工場をコーム・ラ・ヴィーユに置き、そこで
独自のデザインで制作するようになります。そして第1次世界大戦が
勃発する迄に、ジュエリーの制作は殆どやめてしまっていたのです。

1918年、更に大規模な工場をウィンゲン・シュール・モデールに購入
すると共に、ガラスに重きを於いていた彼は、その生産体制を更に
強化しました。この「三羽の燕」と呼ばれる香水瓶は1920年に発表され
ましたが、これは数年間にユビガン、ロジェー・エ・ガレー、ガビラ、
そして彼自身の店メゾン・ラリック等の香水メーカーの為にラリックが
デザインした何十もの作品の内の一点です。又、今日多くのコレクターが、
ラリックの香水瓶を収集しています。

at 14:06, 向井公規, 所蔵作品紹介

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ジャック・イン・ザ・パルビット(天南星)




作家名: ルイス・カムフォート・ティファニー
作品名: ジャック・イン・ザ・パルビット(天南星)
制作地: アメリカ
制作年: 1918年
技法・素材: 光彩、ファヴリル・グラス
サイズ: H46.8×W26.7×D11.8cm
作品番号: N-119

ジャック・イン・ザ・パルビット(天南星)と呼ばれるこの植物は
草原によく繁茂しますが、ティファニーはこの植物の全体像をガラスを
用いて忠実に再現することで、彼にとってのアール・ヌーヴォーの理想を
完璧に表現しています。

ここで彼は器全体を。三次元的な描写によって。それ自体が対象の植物で
あるかの如く変形させています。器と装飾が融合し、一体となっている
のです。これはアール・ヌーヴォーにおける芸術的革命の成熟期を代表
するもので、同じく重要な作品にエミール・ガレが1904年に亡くなる
直前に制作した一連の自由な形態の花瓶のシリーズが挙げられます。

at 17:42, 向井公規, 所蔵作品紹介

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花器「フランスの薔薇」

フランスの薔薇


作家名: エミール・ガレ
作品名: 花器「フランスの薔薇」
制作地: フランス
制作年: 1900年頃
技法・素材: 内部装飾、エングレーヴィング、アプリカシオン
サイズ: H21.2×W9.3×D6.6cm
作品番号: N-011

この花瓶は、ガレの完成された技法を示す代表的な作例です。

豊かな色彩とすばらしいカーヴィング(彫刻)により、作品の外観は
生き生きしたものとなっています。自然を模倣したレリーフによる装飾は、
この花瓶を彫刻作品のように見せています。

ガレが制作した「フランスのバラ」という一連の花瓶の中には、この作品
よりも大きいものや更に手の込んだ作品も幾つかありますが、この花瓶は
質の高い作品の一つといえます。しかし、この作品を実現した技術の高さは、
外観の素晴らしさを遥に上回ると言えるでしょう。

この花瓶のテーマは強烈で、ここではバラをフランスの象徴としていますが、
ここでは普仏戦争(1870-1871年)後にドイツによってフランスの一部で
あったロレーヌ地方が併合された事によって傷ついた、ガレとロレーヌ地方の
同志達の民族主義的な自尊心の傷みを表現しているのです。

at 20:03, 向井公規, 所蔵作品紹介

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